スマートで 目先が効いて 几帳面 負けじ魂 これぞ船乗り
昔、帝国海軍の太田質平さん、少将が作った船乗りのモットー。
今でも、海上自衛隊や商船界隈で、受け継がれています。
スマートは、痩せていると言った容姿ではなく、利口の意味だそうです。船乗りたるもの、スマートな身の振る舞いを行えとも言われ来ました。
でも、海上自衛隊の方は、優秀な方がいるかもしれませんが、船乗りを目指すのは、この時代奇特な人しかいません。
目先が効くとは、予見出来るということで、天気予報を行えるとか、叱られる前に逃げると言った事になります。
船にとって天気は非常に大事であり、台風を直撃すると本当に遭難してしまいます。
叱られる前に逃げるは言い方が変ですが、台風から逃げる、海賊から逃げる、ちょっと拡大解釈して衝突から逃げる、座礁を避けると言った風に先を見て危険を回避することが重要なことなのです。
几帳面、言わずもがな、几帳面であることは重要です。些細なことが起きると几帳面にメモを取る。それをずっとやり続けると、後々それが大変役に立ちます。大きな出来事が起きる前に悪ところを見つけることができます。
些細な事を見つけるにしても、常日頃整理整頓が必要になります。几帳面に清掃し整理整頓を行っておく。
几帳面・豆に連絡を取り合う。話をする、メールを送る、電話する、こう言ったことは重要です。
負けじ魂、これこそ何か、こう、船乗りの気質を表している様な気がします。
もともとこの標語は、軍人さんが作ったものですから、負けないということに重みがあります。
軍人でなくても、海運の船に乗っている船員でも、負けじ魂は持っている様に思えます。ここぞという時、すぐに諦めると言うことは負けになります。戦に勝つだけではなく、船酔いに勝つ、眠気に勝つ、などなど。
この標語、商船学校に入りたての頃、教官や上級生から教わり、そんなもんかなぁと思う程度。でも、船乗りをすると意味深い言葉に変貌するもので、妙に納得できてしまう。
学生それも一年生の時、
「スマートというのはだなぁ、カッコいいという意味と違うんあんやねかぁ。りこうちゅう意味なんや。わかぁんけ?」
「カッコいいちゅう意味と違うぁんけー」
「目先ちゅうのはダァ、予測を行えちゅうことや!」
「だから?」
「几帳面は清掃好きなことやぁ」
「でっ?」
「負けじ魂は、負けんちゅうことながやぁ」
「それだけなら、分かるわぁ。」
「今なら、一つでも分かればいいわぁ。」
こう言った会話一つひとつで船員が育成されていくのです。