船のよもやま話

船舶に関わる話題

国旗と国籍

1月27日は、国旗制定記念日です。日の丸🇯🇵が日本の国に旗に制定された日です。

年代は、1870年、明治3年です。明治に入ってすぐに国旗が定められました。江戸幕府時代からも日章旗を国の旗として船で使用していました。

船と国旗は、実に縁が深い関係です。船は、外国にも行きます。その時、日本の船は、日の丸を船尾に掲げます。日の丸が日本国の旗だからです。法律では、日本国籍でない船舶は、日本国の旗を揚げてはいけないと言った具合で記載されています。

なお、外国の船も船尾に自国の旗を掲揚(けいよう)します。ですから、船尾の国旗を見る事で相手船の国が分かる事になります。

以上は、商船や漁船、海上保安庁の船に適用されます。自衛艦や軍艦には当てはまりません。では、軍艦等ではどの様な事をするかと言いますと、軍艦旗自衛艦旗を掲揚します。軍艦旗=国旗の場合もあります。例えば米国の星条旗🇺🇸は、国旗も軍艦旗も同じです。海上自衛隊の場合、自衛艦旗旭日旗になります。

 

船にも国籍が与えられます。日本の船の場合、日本籍船(にほんせきせん)と呼びます。この場合、日の丸を船尾に掲げます。日の丸を掲揚しても良いとして定めている法律によって、船の国籍を与えても良い船を決めています。この法律は、船舶法と呼ばれる法律です。日本籍船は、日本の国の船(お役所の船)、日本人が所有する船、日本の法律に基づいた企業(全員或いは三分のニ以上が日本人役員)が所有する船となっています。

 

なぜ、国旗を掲げるのか?

 

今でも普通の船舶、特に外国間を行き来する船は、国旗は掲げています。外国の船も自国の旗を掲げています。日本の法律・船舶法では、日本籍では無い船に対し、日の丸を掲揚する事を禁止しているのは何故なのか?

明治時代、日本は、幾つかの紛争や戦争をしています。その時相手国の船舶を攻撃します。軍艦に限らず商船も対象です。その船に軍人、兵隊、鉄砲や大砲を積んでいるかもしれません、兵站を叩くことは、必要な事です。

その時、日本の船なのか、敵国の船なのか、それとも全く関係のない中立国の船なのか明確に示す必要があります。その時、判断する為に国旗を船尾の掲揚します。

敵国であれば、拿捕したり、場合によっては攻撃を加え沈没させます。有無を言わさず、攻撃し沈没させることも第二次世界大戦の時はありました。有名なのは、大西洋のイギリス商船を狙ったUボートによる攻撃です。アメリカによる日本商船隊の攻撃もかなり激しい物でした。日本海軍軍人の死亡率より日本人船員の死亡率、消耗率は高く、陸軍20%、海軍16%に対し船員は43%に至っています。

WW2当時、欧州では、自国ではなく中立国の旗を掲げて攻撃を避ける方法もあり、船舶そのものを中立国の船籍に移し替えて運航は自国で行う方法なども行われました。便宜置籍船です。

今では、敵国からの攻撃ではなく、自国の高い税金を避ける為、船の税金が安い国へ船籍を変えることが普通になっています。税金が安い国として、パナマリベリアなどが有名です。それらの国にペーパーカンパニー・子会社を置き、その会社の船舶にしてしまうのです。そうなるとパナマ船籍の船になるという事です。企業にとって、税金以外のメリットもあります。企業はパナマの法律に従う事になり、日本の法律が適用されなくなります。ただ、国際的なルールは各国でも同じですので、海上衝突予防法など同じ内容です。何が良くなるかというと・・・
日本人船員を乗せなくても良くなるのです。日本人の給与は他国に比べ高い水準にあります。給与が安い国の人を雇えば、その分、船会社は儲かります。そのため外国を行き来する外航船のほとんどは、日本人船員を乗せていません。外国の船も含め外航船のほとんど動かしているのはフィリピン人です。欧州の人もいますが圧倒的にフィリピン人船員が占めています。

また次の機会に記載します。

 

日本の国旗を最初に定めた法律は、商船規則となっています。1870年1月27日に制定されました。大旗、中旗、小旗と寸法が尺、寸で寸法が定められています。さらに左右に関しては中央から横の長さの100分の一、旗竿側に日章が位置していました。

今は国旗国歌法にて、日章旗として決めらており、縦が横の3分の2、日章は縦の五分の3で中心が旗の中心となっています。

この日章旗は、旧帝国海軍が定めた日章旗と同じです。商船規則と旧帝国海軍の日章旗は、実は微妙に異なっていたのです。ただ海軍での日章旗は、船首に掲げる旗、船首旗として定められていました。旧海軍の艦船は、船尾には軍艦旗である旭日旗が掲げられ、船首にはそれより小さい旗となる船首旗を掲揚していたのです。船首旗は、各国とも船尾の旗より小さくなっており、Jack(ジャック)といい、有名なのは英国のユニオン・ジャックです。本当であればユニオン・フラッグと呼ぶところ、船尾と同じ図柄で小さい旗の船首旗ユニオン・ジャックが注目されその様呼ばれる様になったそうです。

商船規則で定められた日章旗は、旗のサイズで規定されており、大旗は、祝日に掲げる事になっており、中旗は平常用、小旗は風雨の時に使用されていました。

あと、今は法律では定められていませんけれど、慣習として残っている事で、船飾や満船飾などがあります。一般公開などする船では、その時満船飾を行います。官公庁の船舶では、祝日に船飾を行います。自衛艦の場合は自衛隊内部の規定で定められており、満艦飾をする日など明確になっています。

船飾は、船首マスト、メインマスト、船尾マストの全てに日の丸を掲げます。満船飾は、国際信号旗を船首からメインマスト、そして船尾まで連ねて船を飾る事を言います。

 

商船では全く行われませんが、軍艦や自衛艦などでは、外国の船に訪問する際には、舷梯を上り切ったところ、船内に入る直前にて、船尾にある国旗に対して礼をしてから船内に入ります。下船する際も舷梯の上のところで改めて国旗に礼をいたします。

あと、船同士の礼としては、まず礼をする側は、船尾の国旗を半分下ろします。相手の船はこれを見た場合には、同じ様に国旗を半分下ろし、直ぐに上まで戻します。これを答礼と言います。礼をする側は、答礼を見てから、旗を上まで戻します。この一連の作業が船の礼となります。自衛艦以外の官公庁船や商船では全く見ません。無線で、サンキューでおしまいの様です。

なお、国旗を半分まで下ろしている状態をこれを半旗と呼びます。さらに半旗の状態で黒い布をたらすと弔旗になります。半旗のままでも弔旗の意味をなします。大災害や国主が死亡したときなど、弔旗にします。東日本大震災の3月11日は、弔旗にします。官公庁の船では毎年3月11日に半旗とし追悼が行われています。

 

自衛艦練習船などでは、国旗掲揚や降下の時作業を中断して船尾に向かい敬礼します。付近の岸壁を歩いていても立ち止まるなど対応します。その掲揚降下の時、国旗を地面に触れさせてはいけない事になっています。慎重に作業を実施します。

 

外航にて相手国に入った時にはその国(海軍や港湾施設)から、その相手国を敬する意味で一番高いマストにその相手国の国旗を掲揚する様指示が来ます。来なくても、まぁ、普通はマストの高いところに相手国の国旗を掲揚します。これが船での相手国を敬う表れなのです。

 

船の世界では、国旗は、礼をしたり、礼を行う際に使用したり、船を飾る物であったりと、非常に重要な物なのです。

 

 

通信 船の免許2

船舶免許には、小型船舶操縦士海技士があります。

海技士の中でも、航海、機関、通信、電子通信に分かれています。

この内、通信や電子通信の資格は、通信装置を使用する小型船舶を操縦する際に必要になるかもしれません。

通常の船舶には無線装置が付いています。相手の船と交話(こうわ)するとき、無線機を用います。そのために特定の周波数が割り当てられており、その帯域は超短波帯と呼ばれています。

英語では、Very High Frequency  頭文字を取ってVHF(ブイ エッチ エフ)と呼んでいます。このVHFは、船の世界では本当によく使用しています。一般には船で使用する無線を海上無線と呼んでいます。空は、空中無線とは呼ばずに航空無線と呼んでいます。

船の世界以外でもこのVHF帯は、航空無線、アマチュア無線、FM放送に使用されています。ひと昔前のテレビは、このVHF帯とUHF(Ultra High Frequency)帯を使用していました。テレビのアナログ放送がそれになります。

このVHFはチャンネルで分けられていて、そのうちの幾つかのチャンネルを国際VHFとして海上無線に使用しています。

最もよく使うチャンネルは、ch16(chチャンネルの意味)です。このチャンネルは必ず聴守しなければいけないチャンネルです。電波法第65条にて聴守義務が定められています。

ch16の周波数は、156.8MHzとなっています。

このch16は、遭難信号・安全信号に使用されています。昔ならば、SOS信号と同じ用い方をする周波数です。

 

誰もが勝手な周波数・chを傍受(ぼうじゅ)していると、遭難信号を聞く事が出来ず役に立ちません。皆が聞いていてこそ、遭難信号の役目が果たせるのです。

また、相手を呼び出すとき、違うchに設定しているといくら呼び出しても、全く答えてくれない状況になります。

これでは困ります。そのため、電波法と言う法律でch16を傍受する事を義務付けているのです。

SOSを例に出しましたが、国際VHFは、電信(トンツー)ではないので、・・・ーーー・・・と打つ事出来ません。・・・(S)ーーー(O・・・(S)

代わりに「メーデー メーデー メーデー」と呼びかけます。

メーデー以外に「パン パン パン」や「セキュリティ セキュリティ セキュリティ」と呼びかけがあります。

セキュリティは、気象情報を知らせる前に使用します。前線や台風情報を海上保安庁が流す際、「セキュリティ・・・南太平洋の海上では今後24時間以内に前線が通過し猛烈な風が吹くでしょう。同海域を航行中に船舶は気象海象にお気をつけください。」と言った具合に用いられます。パンは、全く使われていません。メーデーより軽い内容で、例えば自船が故障した際に使用されます。ただ聞いたことはありませんちなみにトンツーの時代では、500khzが傍受すべき周波数であり、毎時15分と45分から3分間加えて毎時00分と30分から3分間、遭難信号以外発信してはいけない時間帯で、かつ聴守しなければいけない事になっていました。これも電波法で定められていましたが、現在削除されています。ちなみに第64条です。

この法律の意味するところは、タイタニック号の惨劇繰り返さないの一言に尽きます。

SOSの代わりにGMDSSというシステムが発達し、通信衛星などを利用し、全世界的な遭難救助にシステムに代わりました。これに対応した資格が海上無線通信士の資格となります。

 

船の免許の題名と全く違う話になっていますので、免許の話に変えます。

 

海技士小型船舶操縦士の免許は、どこの省庁が発行しているのでしょうか?

それは国土交通省です。

一方で無線の免許は何処の省庁かと言いますと、総務省の管轄になります。

海技士(通信)や(電子通信)の資格を取る時は、まず総務省の総合無線通信士(この場合「通信」)、海上無線通信士(対象は電子通信・4級は除く)の資格を取得します。総合と海上の大きな違いは、トンツーの傍受が出来るかどうかです。

いずれの通信士資格も1級が最上位です。1級の資格を取る際、総合の方が難易度が高いと言われています。

無線の資格では、陸上無線技術士があり、この資格の難易度が高いとされています。

この免許は、通信士ではなく技術士という言葉が使われています。テレビやラジオなどの電波を送信するための免許です。タクシーの世界で使われている免許は、陸上特殊無線技士となっています。

船の方にも似たような海上特殊無線技士があり、1級から3級それに加えてレーダーに分かれています。そして無線電話とレーダーを扱う免許になっています。この無線電話は、VHFを指していて、総合無線通信士や海上無線通信士の下の資格になります。なお、1級海上特殊無線技士の資格を持ち、国土交通省の定める検査を受けることで、4級海技士(電子通信)の資格を貰えます。2、3級の海上特殊無線技士には、海技士に該当する資格はありません。この2級、3級海特技は、国際航海に従事しない船舶に搭載された無線装置が対象となっています。出力も非常に小さい物となります。ただ使用するチャンネルは、国際VHFと変わりありません。1級海特技との大きな違いは英語です。英語の講習を受ける必要があります。しかし、私が受けた講習会では、SEAを読めない、知らない人受講していたので、問題ないのかも知れません。ちなみにその人は、SEAをセアとかサーとか言っていました。

 

 

 

 

 

船の免許  免状

船を動かすためには、免許が必要です。

まず、船の大小から、小型船舶操縦士免許と海技士の2種類の船舶免許に分かれます。

小型船舶操縦士免許は、ボートやヨット、沿岸の漁船、釣り船などに必要な免許です。

海技士の免許は、小型船舶操縦士免許とは異なる免許です。大きなタンカーや貨物船、大型漁船を動かすための免許です。

海技士の中には、航海、機関、通信、電子通信の職務によって分かれています。

航海は、船の大きさや階級によって、1から6級に分かれており、1級免許を持つとどんな大きな船でも動かす事が出来ます。ただ、軍艦は免許不要で各国の軍隊が定めた規定によって決められていますので、1級免許を持っているからといって、空母を動かすことは出来ません。

機関は、エンジンの出力や階級によって異なります。これも1から6級に分かれていて、一番上が1級となります。

通常、1級海技士(航海)や3級海技士(機関)と言った書き方をします。

通信や電子通信は、通信で1から3級、電子通信で1から4級に分かれています。海技士(通信)は、通信士のための免許ですが、最近は通信士が乗る船は少なく、航海士が通信士を兼ねている場合が多く、そのために新たに電子通信の制度ができました。通信士は、トンツー・電信に特化した資格でした。しかし、衛星通信が発達による通信環境の激変があり、トンツーの時代も終わりました。一部漁船で活用されているみたいですが。その代わりにトンツーを必要としない・試験科目にない電子通信の制度ができたという事です。通信に関しては別途取り上げたいと思います。

階級は、船長、一等航海士、二等航海士、3等航海士、それに機関長、1等機関士、二等機関士、三等機関士に分かれます。

船の免許は、船の大きさ、階級によって、職務によって免許が異なっています。

 

昔、何故か海技士資格を免許とは言わずに「免状」と言っていました。これは「船舶職員法」という法律で海技免状と記載していたためです。

しかし、平成15年の法律改正によって、「船舶職員法」は「船舶職員及び小型船舶操縦者法」に変わり、その改正された法律では船舶免許という名称を使うことになりました。

個人的には、「免許」よりは言い慣れた「免状」の方がしっくりきます。

この船世界では、「免状持ち」とよく言います。免状持ちとは、3級海技士以上の資格を取得している人を指しています。4級海技士を持っていても、普通、免状持ちとは言いません。

昭和58年、この時にも船舶職員法の改正があり、1級から6級までに分かれたのですが、それ以前は、甲種船長、甲種一等航海士、甲種二等航海士、そして、乙種船長、乙種一等航海士、乙種二等航海士、さらに丙種航海士に分かれていました。今の3級海技士は、乙種船長、甲種二等航海士に当たります。1級海技士は甲種船長相当です。

この甲種の資格を持っている人を「免状持ち」と言っていました。

ちなみにこの甲乙丙の区分けは、遠洋、近海、沿岸の違いで、外国に行ける遠洋は甲種、近海を乙種、そして沿岸を丙種として扱っています。

 

あと、どうでも良い事ですが、1級海技士(航海)を持っていても、小型船舶操縦士免許を持っていなければボートやヨットなどの小さな船・ボートを操縦する事ができません。

また、1級小型船舶操縦士を持っているからと言って、小さな船といえども1等航海士や3等航海士になれません。でも、船長にはなれるのです。

 

 

航海灯と海上衝突予防法

海上衝突予防法は、世界共通のものなり。

2隻の汽船が真向かいに行き逢い衝突するおそれがある時、互いに右に変針し互い他船の左舷を航過すべし。

2隻の汽船が互い横切り衝突のおそれがある時、他船を右舷に見る船より先に他船の航路を避くべし。

 

この内容が海上の交通に関する基本の法律です。あと、帆船や漁船、大型船、雑種船、それに操縦性能制限船などが出てきます。

 

学校で習うと「自船(自分が操船している船)から見て、右に見る船を避ける。」と教わります。

自船は、右からくる船を避けます。それでは、左から来る船に対しては、どうするのでしょうか。その時は、そのままの状態で走り続けます。増減速や変針は行いません。行なってはいけない事になっています。自船の状態を下手に変化させると相手船が混乱してしまい、衝突する恐れがあるためです。

 

右に見る船を避けるためか、船長の部屋は、ブリッジ・船橋の下、船首側の右角に設けられている事が多い様です。

 

夜間など、舷灯として右舷には緑灯、左舷には赤灯を点灯する事になっていますし、白色灯の船首灯(低い)とマスト灯(高い)の対で向きが分かる様にしています。これに船尾の灯り、船尾灯が有ります。船尾灯も白色です。これら灯火を航海灯としています。

 

夜間、自船から見て右からくる船の灯りは、何色でしょうか?赤でしょうか、それとも緑でしょうか?そして、船首灯とマスト灯の関係は?

 

見える絃灯の色は、赤い色です。

そして、白色の灯りが二つあり、

左側が低く(船首灯)、右側高く(マスト灯)見えます。

 

赤い灯火を見た船は、その赤い灯火を灯している船を避けなければいけません。

普通は、右に舵を切りますが、減速したり、

もします。

 

あと、真向かいで航行するから船舶は、互いに右に転舵し、左舷側を通行することになっています。

すなわち、船の世界は、右側通行をしているのです。

 

 

 

位置-測位

現在では、ほとんどの船は、GPS(Global Positioning System)など衛星を用いて、測位を行なっています。

GPSは、アメリカが開発し衛星測位システムです。最近では各国で開発しており、EUによるGallileo,ロシアのGLONAS,中国の北斗があります。

これらの衛星を用いた測位全般を総称してGNSS. 全地球衛星航法システム Global Navigation Satellite Systemと呼んでいます。

 

さて、昔は、どうだったのでしょう。

GPSが確立されていない時、ロラン、デッカ、そして最終を意味するオメガの各種電波航法がありました。いずれも二つ以上の送信局から送信される電波を船にあるアンテナで受信し、その距離を求めることで船の位置を求める方法です。

オメガ航法のための送信局は、使用する周波数が超長波を使用していますので非常に高くなります。日本の対馬にあった送信局は454.83mの高さがありました。GPSの普及で今はもうありません。オメガは、ロランの方が精度が良かった事もあり、ロランで測位が出来ない海域でしか利用されることはありませんでした。

デッカもロランに比べ、精度が悪く、オメガほど遠距離にも対応しておらず、今一つでした。

電波航法のメインは、ロランでした。ロランにはAやCがありました。このロランの送信局もそれなりの高さになり、南鳥島にあったロランC局は、213.4mありました。

 

電波航法・地上局がない時代は、天文航法となります。

加えて、地文航法もありますが、地文航法は、GPS/GNSSが普及した現代でも普通に使用されています。主な地文航法は、クロスベアリングが主とも言えます。海図に記載されている山頂や灯台など目標物の方位を測り、海図上にて、その計った目標物からその方位(ベアリング bearing)を線で描く事で船位が分かると言った物です。二つ以上の目標物の方位を測ると海図上ではそれらの線がクロス(cross)・交差します。その交差した所が船の位置となります。

あとは、レーダーを用いて浮標や岬などの距離を測るなどで位置を求める方法があります。レーダーも電波使用するのですが地文航法に属します。

 

地文航法は、陸が近い沿岸域であれば良いのですが、陸が見えない海域に出てしまうと位置がわからなくなります。

この時、どうしていたのでしょう。

 

昔は、天文航法が主流でした。

太陽や星の高度を測ることで船の位置を求めていました。

さて、測位とばかり書いていましたが、船の測位はどこの国の何県の何々市にあるなんとか町一丁目と言った住所を求めるのではなく、緯度軽度で位置を求めます。

緯度や経度などあまり聞き慣れていないと思います。北極点は北緯90度で、南極点は南緯90度となり経度は無いはずですが経度0度にしている様です。なお、緯度0度は赤道です。

北緯言わずもがな赤道より北側ですし、赤道より南南緯と呼びます。普通一般の地図では北が上、南が下になっています。オーストラリアでは逆の図が売られている様ですが。

海図では、上が北です。

経度はどうでしょう。赤道と直角に交わる南北の線を子午線とよんでいます。

子午線の基本となる線は、グリニッジ子午線です。英国ロンドンにある町グリニッジにある天文台を基準にしていました。

なおグリニッジ天文台がある丘を下ると国立海洋博物館や帆船カティーサークがあります。

グリニッジ子午線は、最近まで、基準の子午線でしたが、今はグリニッジ天文台の基準ちから東へ102m移動したところにあるIERS基準子午線が基準の子午線になっています。

グリニッジ子午線からIERS基準子午線へ変わったのは測地系の違いが理由です。

日付変更線は基準子午線の反対側にある線です。子午線と書きたいところですが、子午線上に国が存在しているのでその国を避ける様に、日付変更線が定められています。

日本の基準子午線は東経135度になっています。135は中途半端な数字に思えますが、経度としてはとても区切りが良いのです。

経度360度を1日に当たる24時間で割ると15になります。1日ぐるっと回る時間は24時間です。地球は球体なのでぐるっと回る角度・経度は360度になります。

135を15で割ると9になります。英国より日本は東に135度ずれたところにあります。そして、時差は9時間あるとされています。この9時間は緯度の差を表しているのです。日付変更線がある東経西経とも180度の子午線上のところでは、英国と12時間の違いがあります。日本とは3時間(45度)の違いがあります。135度足す45度で180度となり、日付変更線の基準となる子午線の経度となります。

船は経度15度進むたびに、船内の時刻を1時間進めることになります。逆に西へ15度進むと1時間遅らせる事になるのです。

すなわち、時間と経度の間に関係性があります。

 

その関係性を元にして、星や太陽などの高度と時刻を測ることで、位置を求めます。船の世界では、それを天文航法とよんでいます。

時刻を正確に測定できていなかった時代は、経度のずれが大きく、それにより多く船が難破していました。

緯度は、北極星や太陽などを計測することで簡単に求めることができます。

一方経度は、正確な時計が無いと測位する事が非常に難しく月による星食などでしか求める事ができませんでした。

そのため、推測航法に頼っていました。推測航法とは、風や強さで、速力などを計測し、船がどれほど進んだか推測し、それを元に仮の位置を求めて使用する方法です。

この様なやり方では、難破も当たり前の時代でした。

 

この測位に力を注いだ国が英国でした。

1700年ごろ、英国軍艦4隻が難破し二千人に及ぶ乗組員が無くなりました。

当時の英国議会は、船の経度を正確に確定する方法を考えたものに対し巨額な懸賞金を与える事にしました。

ハレー彗星で有名なハレーや万有引力を見つけた有名なニュートンも経度の求め方を研究していました。彼ら学者派は、天文を計測し測位する方法に固執していました。正確な時計を作るよりは、月や星、月食、日食そして木星の衛星を計測することの方が簡単と思っていたのです。

正確な時計が有れば、勿論正確な経度を求める事ができるぐらいのことは、彼らも知っていました。でも、その正確な時計を作ることは永遠に無いと思われていた時代だったのです。当時の時計のほとんどは振り子式であり、揺れる船上では役に立たなかったのです。

 

木工職人のハリスは、マリンクロノメーターを開発しました。日本名では経線儀と呼ばれています。今で言う時計です。

ジョン ハリスは、30年以上の歳月をかけ、4つの経線儀を作り正確な経度を測定出来る様にしたのです。

一つ目の経線儀でも十分な測位を求める事ができましたが、より精度が高い物を目指していました。精度と共に小型化も図りました。

懸賞金は、ハリスに与えられましたが、時計が出来てから、天文学者達から、中にはあのニュートンなどから嫌がらせを受け、なかなかというか全く経度委員会で認めて貰えませんでした。経度委員会の主たるメンバーは天文学者でした。彼らは、木星の衛星や星食を推していたので、時計による経度を求める方法を認めたくなかったのです。ジョージ三世がそれを知って、ようやく80歳の年齢で懸賞金を貰う事ができたのです。一つ目の経線儀が完成してから38年経っていました。

 

これを元に経度を求める方法として、時計を用いる事になり、今の天文航法の元になったのです。GPSが出る1990年ごろまでこの方法が普通に使用された方法です。船だけでは無く飛行機もこの方法を用いられたのです。

 

 

 

船唄

🎶 岬離れて飛ぶカモメ鳥

カモメお前もまた旅の鳥

ヨイヤサー

俺も明日から旅の鳥よ

 

辛い想いであの娘を得たが

一夜もそわずにきょうこの別れ

ヨイヤサー

出船の後が気にかかるよ

 

暗い夜空に瞬く星は

泣いて別れたあの娘の瞳

ヨイヤサー

遠い船路の道しるべよ

水産大の哀歌

 

練習船の歌、海のロマンス、商船小唄(軍隊小唄の商船バージョン)など幾つもの船唄の中で、この唄が一番しっくりと心に響く。

次にダンチョネ節かなぁ。

 

🎶 三浦岬でヨ、ドンと打つ波は

可愛い方の 度胸試し ダンチョネ

 

泣いてくれるなヨ 出船の時にゃヨ

沖で櫓櫂がネ 手につかぬ ダンチョネ

 

沖のカモメにヨ 潮どき聞けばヨ

わたしゃ立つ鳥ネ 波に問え ダンチョネ

 

上の歌詞は、双子歌手でモスラで有名なザ・ピーナッツが唄った時のもの。(祇園小唄〜ピーナッツのムード民謡1963年)

小林旭の「アキラのダンチョネ節」などもある。

 

ドリフターズは、結構軍歌を歌っているようでその中の一つにダンチョネ節も含まれている。ただ、この唄は船唄では無く、飛行機唄?となっている。

 

🎶沖の鴎と 飛行機乗りはヨ

どこで散るやらネ はてるやら ダンチョネ

 

俺が死ぬ時 ハンカチふって

友よ彼女よネ さようなら ダンチョネ

 

俺が死んだら 三途の川で

鬼を集めて 相撲とる ダンチョネ

 

ただ、このダンチョネ節は、珍しく、海軍の歌というよりも古くから商船校の学生が歌っていたようである。

元は神奈川県の三浦半島にある三崎の民謡のようだが、当時の商船生が歌っていたようだ。

 

🎶 三浦三崎で ドンと打つ波はね

可愛いお方のさ 度胸試し ダンチョネ

 

泣いてくれるな 出船の時はネね

沖で櫓櫂がサ 手につかぬ ダンチョネ

 

例え三年 逢わずにいてもね

心変わりがサ ないならば ダンチョネ

 

逢いはせんなんだが 館山沖でね

二本マストのサ 大成丸 ダンチョネ

 

歌詞に出てくる「大成丸」は、船乗り育成のための練習船であり、歌詞の大成丸は、1904年に建造された初代である。今では4代目が運航されている。

初代大成丸は、4檣(しょう)バーグ型の帆船であり歌詞の二本マストとはちょっと違う。大成丸を建造するきっかけとなった「月島丸」は、3檣バーグ型であり、これもちょっと違う。「月島丸」は、明治30年に建造され、その三年後の明治33年1900年に遭難してしまう。遺品などが伊豆半島で見つかったことから駿河湾で遭難に遭ったとされている。122名の方が犠牲となった。

当時の商船生がこれを悼んで「断腸ネ」と語呂合わせ三崎の「ダンチョネ節」をあわせたとか。

八代亜紀さんが歌う「舟唄」の中にもダンチョネが出てきます。

🎶 沖の鴎に深酒させてヨ 可愛いあの娘と朝寝する ダンチョネ

これが一番有名かもしれません。

 

 

船の話

船は、男性だろうか、或いは女性なのか?

 

軍艦や自衛艦は、見るからにいかつい。

戦艦には、大きな大砲も積んでいるし、大きな玉も打つ。

船体の色もグレーである。

如何にも男性に思える。

 

しかし、軍艦を含む全ての船は、女性として扱われる。

英語でも、she、彼女として称されている。

 

今と違い、昔の船のほとんどは、軍艦も含めて帆船だあった。

また、船乗りも男性ばかりであった。

これが船を女性として扱うことと何が関係するのか不明であろう。

 

まず、帆船に関して、帆船には帆を張るためマストとヤードが取り付けられている。

マストは、垂直に立っている柱であり、ヤードは水平にマスト取り付けたれている柱である。

マストは、漢字では艢と書き、「しょう」と読む。また、帆柱とも書く。ヤードは、帆桁とも書く。

この帆桁が数多くあると、簪・かんざしに見えることから、女性に見えると言ったことで女性。

 

次に船には男性ばかりが乗り込む。

船乗りは、船の掃除を行い、装飾物をピカピカに磨き上げ、塗装を行い、船の権威を保とうとする。軍艦も商船も船を綺麗にする事を大事としている。

そうなるとあたかも、船は男性がチヤホヤされているように見える。だから、船は女性。

 

さらに、

船はペンキを塗ってある。

現代は鉄で出来た船ばかりなので、錆させないため、塗装してある。

木造に船でも気が腐らせない様に塗装してある。

もちろん、美観の観点でも、綺麗に美しい色合いで塗装する。

この塗装は、あたかも女性が化粧を行っている様にも見える。だから、船は女性なのだ。

船齢も重ねてくると、船も厚化粧となる。一般の女性と変わらないのである。