船のよもやま話

船舶に関わる話題

船唄

🎶 岬離れて飛ぶカモメ鳥

カモメお前もまた旅の鳥

ヨイヤサー

俺も明日から旅の鳥よ

 

辛い想いであの娘を得たが

一夜もそわずにきょうこの別れ

ヨイヤサー

出船の後が気にかかるよ

 

暗い夜空に瞬く星は

泣いて別れたあの娘の瞳

ヨイヤサー

遠い船路の道しるべよ

水産大の哀歌

 

練習船の歌、海のロマンス、商船小唄(軍隊小唄の商船バージョン)など幾つもの船唄の中で、この唄が一番しっくりと心に響く。

次にダンチョネ節かなぁ。

 

🎶 三浦岬でヨ、ドンと打つ波は

可愛い方の 度胸試し ダンチョネ

 

泣いてくれるなヨ 出船の時にゃヨ

沖で櫓櫂がネ 手につかぬ ダンチョネ

 

沖のカモメにヨ 潮どき聞けばヨ

わたしゃ立つ鳥ネ 波に問え ダンチョネ

 

上の歌詞は、双子歌手でモスラで有名なザ・ピーナッツが唄った時のもの。(祇園小唄〜ピーナッツのムード民謡1963年)

小林旭の「アキラのダンチョネ節」などもある。

 

ドリフターズは、結構軍歌を歌っているようでその中の一つにダンチョネ節も含まれている。ただ、この唄は船唄では無く、飛行機唄?となっている。

 

🎶沖の鴎と 飛行機乗りはヨ

どこで散るやらネ はてるやら ダンチョネ

 

俺が死ぬ時 ハンカチふって

友よ彼女よネ さようなら ダンチョネ

 

俺が死んだら 三途の川で

鬼を集めて 相撲とる ダンチョネ

 

ただ、このダンチョネ節は、珍しく、海軍の歌というよりも古くから商船校の学生が歌っていたようである。

元は神奈川県の三浦半島にある三崎の民謡のようだが、当時の商船生が歌っていたようだ。

 

🎶 三浦三崎で ドンと打つ波はね

可愛いお方のさ 度胸試し ダンチョネ

 

泣いてくれるな 出船の時はネね

沖で櫓櫂がサ 手につかぬ ダンチョネ

 

例え三年 逢わずにいてもね

心変わりがサ ないならば ダンチョネ

 

逢いはせんなんだが 館山沖でね

二本マストのサ 大成丸 ダンチョネ

 

歌詞に出てくる「大成丸」は、船乗り育成のための練習船であり、歌詞の大成丸は、1904年に建造された初代である。今では4代目が運航されている。

初代大成丸は、4檣(しょう)バーグ型の帆船であり歌詞の二本マストとはちょっと違う。大成丸を建造するきっかけとなった「月島丸」は、3檣バーグ型であり、これもちょっと違う。「月島丸」は、明治30年に建造され、その三年後の明治33年1900年に遭難してしまう。遺品などが伊豆半島で見つかったことから駿河湾で遭難に遭ったとされている。122名の方が犠牲となった。

当時の商船生がこれを悼んで「断腸ネ」と語呂合わせ三崎の「ダンチョネ節」をあわせたとか。

八代亜紀さんが歌う「舟唄」の中にもダンチョネが出てきます。

🎶 沖の鴎に深酒させてヨ 可愛いあの娘と朝寝する ダンチョネ

これが一番有名かもしれません。